正直基本書にはあまり恵まれていないのが会社法です。いまいちこれという1冊がありません。そのため、筆者としては会社法の基本書にはLECのC-bookを使うのをお勧めしています。C-bookの会社法は判例や基本事項がまとまっており、おまけに値段も安いので使いやすいと思います。
C-bookや判例百選をベースに自分なりの基礎ノートをまとめていくのが会社法の勉強には役立ちます。
もっとも、C-bookが最良とはいっても、ロースクール生としては全く基本書を持たないというわけにもいかないでしょうから、基本書についても紹介していきます。
リーガルクエスト会社法
薄い1冊としてはわかりやすさに評判のあるリーガルクエスト会社法が定番です。受験生でも圧倒的に使用者が多いのはこの1冊です。悩んだらこれを買っておけば間違いありません。
この1冊で司法試験を乗り切るのは正直厳しいので、足りない部分は他の基本書やC-bookで補ってください。初学者向け。
株式会社法(江頭憲治郎)
読む読まないはともかく、買わないという選択肢がないのが江頭会社法です。実務上最も権威がある会社法の基本書で、持ってない人はほとんどいません。
内容的には試験に使える記述が多々あるのですが、いかんせん目次や牽引が使いづらく、辞書的用法としての使い勝手が悪いです。かといって通読するにはぶ厚すぎますしね。
他の教材とかでも引用されていることは多いので、持っておいて損はないです。
会社法(田中亘)
リーガルクエストの著者の一人の田中先生の基本書です。近年会社法の基本書界隈では台頭してきて実務家にも高い人気を誇っています。リークエよりも説明が丁寧で、基礎から会社法を理解できる作りになっています。
実務的な印象も受けますが、リークエでは物足りないという人にはお勧めの一冊です。初学者~中級者向け。
会社法大要(龍田節、前田雅弘)
あえてこの基本書を選ぶ人はなかなかの通だと思いますが、薄いわりに会社法を基礎から理解するための説明がしっかりなされています。わからないことがあるときにこの本を参照すると案外いい解説が載っていたりします。ちょっと情報不足な感じは否めないのでこれをベースに使う場合には他の基本書で知識を補う必要があります。
初学者向け。
最新株式会社法(近藤光男)
教科書として純粋にわかりやすい基本書です。薄くてサクッと読めのでとりあえずの入門書としてお勧めです。最後まで使えるかは微妙なので、サクッと呼んで次の基本書に移行するのがよいかと思います。初学者向け。
リーガルマインド会社法(弥永真生)
かつては定番の基本書でしたが、最近は使っている人をあまりみません。個々の記述は試験に使えるのも多々あるので、参照用には役立つと思います。初学者向け。
会社法(神田秀樹)
メジャーな一冊で、著者も学者としては一流ですが、薄すぎて司法試験対策用としてはお勧めしていません。