非常識な司法試験合格法則

司法試験合格のための勉強の仕方について解説

刑事訴訟法のお勧め演習書と使い方

今回は刑事訴訟法のお勧めの演習書とその使い方を紹介します。

判例百選

「えっ、百選!?」

と思われた方もいるかもしれませんが、刑訴法の最良の演習書は百選です。刑訴法の問題は判例を理解していればほぼ合格答案が書けます。それでも解けないような問題は解けなくても合格には支障ありません。

百選の演習書としての使い方としては、各事例に対して、答案または論証ノート(完全な答案は時間がかかるので問題提起・規範の論証・簡単なあてはめくらいで十分)を作っておくのが良いです。ワードなどで作っておけば、適宜継ぎ足しできるので便利です。

直前期にそのノートを繰り返し見直せば相当力がつき、司法試験合格レベルであれば怖いものなしです。

現行試験過去問

現行試験過去問の演習は必須です。なかなか手をつけない受験生がいますが、勉強初期のころから実際に時間制限・参照物制限を遵守して答案を書いてみるのが重要です。最初は当然まともな答案は書けませんが、早期から本試験のレベルに慣れていないといつまでも解けるようになりませんし、勉強の道筋も立ちません。

出題趣旨・採点実感は印刷して何度も繰り返し読みましょう。司法試験の論文に対する得点のヒントが詰まっています。これ以上の論文の教材は存在しません。

環境に恵まれている人は実際に制限時間を遵守して書いた答案を合格者等に添削してもらいましょう。

現行試験については特にノート等は作る必要はないです。

旧試験・予備試験過去問

現行試験過去問より少しレベルを落とした問題で、繰り返し演習する価値があるのは旧試験・予備試験の過去問です。

旧試験は出題趣旨が公表されるようになった平成13年以降の問題だけで十分です。それでも結構な量です。過去問の教材としては、なんでもいいですがスタンダード100が定番でしょう。

スタン100の解答例は参考程度に読んで、出題趣旨や判例百選の演習で作ったノートをベースに答案構成ノートを作るのがよいです。

直前期に百選ノートと併せて読めば鬼に金棒です。

事例演習刑事訴訟法

いわゆる古江演習本と呼ばれるもので、受験生には定番の演習書です。過去問以外の演習書を1冊ということならこれでしょう。もっとも、百選と新旧過去問がしっかりできていれば、ここまでやる必要性は乏しいです。ここに載っている問題を完璧にしようというよりは、演習問題を解くにあたっての理解の手助け的な位置づけで使うとよいです。

ロースクール等の教材で指定されている場合には、せっかくなのでしっかり活用しましょう。ノート等は特に作る必要ありません。

演習刑事訴訟法

結構古い演習書ですが、名著で今でも十分使えます。旧試験の頃はほとんどこれから出題されているんじゃないかというくらいのネタ本でした。長沼先生のスキャンダルで改訂がなされなくなってしまわれたのが大変残念です。

各テーマごとに数ページであっさり解説が書かれているので初学者にも読みやすいです。古江はまだ難しいという人にはこちらからやってみるのもいいと思います。上級者でも参照用に1冊手元においておくことをお勧めします。ノートを作る必要ありません。

立花書房Q&A実例シリーズ3冊

Q&Aなのでいわゆる演習書ではありませんが、捜査の問題のネタ本です。実務家(検察官)向けの書籍で、捜査に関する実務的な知見を得るのに役立ちます。某検察官の実務家教員がお勧めしていました。

判例百選などで得た知識・理解をベースに、本書の論点をマスターすれば捜査の問題は怖いものなしです。勉強法としては百選や過去問の勉強を優先すべきですので、時間に余裕があれば目を通してみてください。薄いので勉強が進んでいる人なら1日で1冊は読めてしまいます。

既に刑訴は十分合格レベル、刑事系上位を狙うという上級者向け。ノートを作る必要はありません。