刑法各論のおすすめ基本書を紹介します。司法試験の刑法各論でしっかり得点するためには、構成要件と判例の知識・理解が重要です。そのため、基本書を選定する際は構成要件が一つ一つしっかり解説してあるか、判例の引用・整理が十分かという視点が重要です。
基本書紹介ですが、刑法各論については西田各論で決まりなので今回紹介する基本書が1冊のみになります。
刑法各論(西田典之、橋爪隆)
刑法各論の基本書は迷うことなく西田先生の基本書で決まりです。西田先生はお亡くなりになってしまいましたが、橋爪先生が改訂をされていますので強制性交等罪等の改正や最新判例もしっかりフォローされています。
本書の構成としては、各罪の冒頭には条文が引用されており、構成要件ごとに必要十分な解説がなされています。引用されている判例の数も十分で、西田各論をしっかり押さえておけば、論文の論点落としや結論を間違えるということはほぼなくなります。
特に大きな癖もなく読みやすさも十分です。これといった弱点が特にみあたりません。
刑法各論の基本書を西田先生以外のものを使うという積極的理由は見当たりません。特にこだわりがなければ西田先生の基本書を使っておけばよいでしょう。
試験対策上、各論はそれほど行為無価値や結果無価値にこだわる必要はないので、総論の教科書にかかわらず西田各論を買っておけばいいと思います。
初心者から上級者まで、刑法各論の基本書はこれ1冊でOKと言い切ります。他の基本書の紹介は不要です。
最新重要判例刑法(前田雅英)
基本書ではないですが、試験勉強上優秀な判例集です。1頁1判例で非常に読みやすく、試験前にさっと確認するだけでもかなり効果があります。解説中に引用されている判例も含めれば、試験対策上十分な判例を網羅できます。百選を使うよりははるかにこちらの方が効果的です。できることなら何十回と読みたい。
各論の判例は、西田各論と本書で十分網羅できます。より上位での合格を目指すなら、必要に応じて重要判例につき最高裁判例解説を読めば完璧です。
完全整理択一六法刑法(LEC)
本書は択一用に使うというよりは、構成要件をさっと確認するのに便利です。勉強の際1冊携帯しておくと勉強効率が上がります。通読は不要でしょう。
条解刑法
辞書です。構成要件の理解が深まります。値段が高いですが、実務に入ってからも使えるので買っても十分元は取れます。
ロースクールの図書館にはまず置いてあると思いますので、必要に応じてコピーをとってもよいでしょう。