非常識な司法試験合格法則

司法試験合格のための勉強の仕方について解説

民法総則のおすすめの基本書-2018年版

今回は司法試験対策に使える民法総則の基本書を紹介します。

1.民法の基礎1総則

佐久間毅先生の基本書です。受験生的には定番の地位を固めていてほとんどの受験生がこれを使っています。

本書のいいところは各要件がかなり深堀されていて、答案でのあてはめに使える記述が多いところです。民法のような基礎科目では、要件や判例を知っているのは当然の前提として、どれだけ要件や判例の規範を深堀できているかで差がつきます。

例えば動機の錯誤一つとっても、本書はかなり丁寧な記述をしています。本書を読む前と後では動機の錯誤のあてはめにもかなり差が出るでしょう。

ちょっと分量が多いので、最初の1冊に選ぶと挫折する可能性もありますが、とりあえず購入しておいて間違いありません。

2.民法講義Ⅰ総則

山本敬三先生の基本書です。辞書的に使える1冊で、要件事実にも配慮して書かれています。

本書は通読するというよりは、辞書的に使うのがおすすめです。本書で調べてわからなかったらしょうがないと思えるくらい各論点について網羅的に整理して書かれています。各論点で悩みが発生した場合には、本書の該当部分を読めば一定の方向性がつけられると思います。

かなり綺麗に議論の整理がされているので、悩みが解決しない場合でもとりあえず本書の記述をそのまま覚えておけば本試験でもなんとかなります。

3.民法Ⅰ総則物権・総論

かつての定番内田民法です。最近はロースクール等の指定の教科書となっている場合以外は使っている人はあまり多くありません。

総則部分は結構薄いのでさくっと読めてしまいます。判例の事案を中心に事案ベースで書かれているので、初学者が事案をベースに学習するにはまだまだ使えます。最初の1冊なんかにはもってこいです。

もっとも、最近の司法試験対策では、結局は佐久間先生や山本敬三先生の基本書を参照することになるので、薄い本としてはこれよりも潮見先生の「入門民法(全)」を使った方がよいかもしれません。

ロースクールの指定の教科書となっている場合は迷わずこれを使って、佐久間先生や山本敬三先生の基本書を辞書代わりに使えばよいでしょう。

4.現状は佐久間本がベスト

民法の基本書はほかにもたくさんありますが、司法試験対策としては佐久間本が今のところベストだと思います。佐久間本に加え辞書的に山本敬三本をサブで使えば知識、理解ともに他の受験生に負けることはまずありません。

佐久間本を使う際の注意としては要件が綺麗に整理されているとはいえないので、まずは基本となる要件の整理はサブノートなどで整理しておいて、要件の意味を一つ一つ理解する感じで読み進めるとよいです。要件の整理には潮見先生の「入門民法(全)」を使えばよいです。

ロースクールの授業で内田本を使う受験生は、内田本をベースにして上記2冊をサブで使えばよいでしょう。